『壁を破る言葉』
いくつになっても、人は迷う。
悩む。
泣く。
そして笑う。
年齢によって、その内容は変わってくるけど、生き続けていると、人はいろいろなことに遭遇するわけで、自分が好んで選んだこともあるけれど、ときには自分の意思とは全く関係のない場面に出くわし、巻き込まれてしまうこともある。
それが人生……と言ってしまえばそれまでだけど、でも、できることなら、ずっとずっと気楽に悩みなど持たずに笑って過ごしていきたいと思う。
実際にはできないのだけれど……。
15、6年前に、この本に出会った。
そのときも、色々と迷ったり悩んだりしている時期だった。
ふらりと立ち寄った小さな町の書店の棚にひっそりと、隠れるようにこれが収まっていた。
『壁を破る言葉』
岡本太郎 著
創作や生きることなんかをテーマに、アーティスト岡本太郎氏の言葉を集めたものだった。
正直、それまでは岡本太郎はあまり好きではなかった。よくわからなかった、という方が正しいのかもしれない。
でも、ここに集められた氏の言葉はどれも力強く、なんだか勇気をもらえた。
少し、気持ちが軽くなった。
大丈夫だよ、と言われているきがした。
以来、太陽の塔を見る目が変わった。
以来、この手の本も手にとるようになった。
一生懸命生きている人の言葉には、どこか力があった。