本と本屋さん。『bookspooh』

心を癒してくれる読書と本屋さんが大好きです。町の本屋さんを応援しています!

本とわたし。

コロナ禍になり外出することはめっきり減ったけれど、本屋さんだけは定期的に足を運んでいる。

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正直、いまの「おこもり生活」を始めてみて初めて、自分が思っている以上に本が好き、ということに気づいた。

しかもその本というのは、電子書籍ではなく、紙面になったものである。

先日、子供部屋に子供の本が増えすぎて、簡易的な棚を2つ増設した。狭い部屋がますます狭くなったけれど、一方で、本棚が増えるまではいたるところに積み上げられていた本がきちんとした住処を得たことで、すっきりした感じはする。

子供と一緒に部屋を片付けながら、電子書籍ならこんな面倒なことはしなくていいのに、と思いつつ、電子書籍ではきっと味わえない本の装丁の楽しさや紙媒体の温かみ、あるいは、幼い子供と一緒に本を開いたときの「宝物の時間」は得ることはできなかっただろう、と思う。そもそも、ここまで本が好きにはなっていなかっただろう。

とはいえ、いまの住宅事情を考えると、電子書籍の普及や便利さを痛感する。

夫も、この間、仕事で必要な専門書を買いにジュンク堂に足を運んだらしいが、以前はかなりの数があった必要な専門書がずいぶん減ったと嘆いていた。しかし彼もまた、多くの人が手に取らない専門書だからこそ、書店ではなくネットで買う人が増えているのだろうという現実を痛感したらしい。

本を読む人が減ってきた、というより、紙媒体の本を手にする人が減ってきているのだろう。

現代のライフスタイルを考えると、悲しいけれど仕方のないことなのかもしれない。

そんな話をしていて、このブログを立ち上げたきっかけを思い出した。

町の本屋さんを応援したい。

その気持ちが強かったからこそ、このブログを立ち上げたのだけれど、そのすぐあとに新型コロナの猛威に襲われ、三年目に入ったいまもまだ落ち着くことなく続いている。加えて、戦争まで起きてしまい、この先、ますます不安定な社会になっていくことは残念ながら間違いないと思う。

町の本屋さんには、1つでも多く生き残ってほしいと心の底から思う。

でも、現実を考えると、単純に「本を売るだけ」の書店の未来はないだろう。

「本を売る」と同時に、その周りにある「空間」と「時間」、そしてそれにまつわる「思い出」を提供できなければ、本屋さんに足を運ぶ人は減る一方かもしれない。以前からいろいろな業界で言われている「体験を売る」ということはこういうことなのだ、と、いまさらながら気づいた。

 

書店で本を買う、という行為に、どれだけ多くの人が娯楽性や癒しを見出しているのかわからない。けれど、近年は少子化の影響もあってか、幼い子供たちが本に触れる時間は私が子供の頃とは比べ物にならないほど増えているし、児童書のジャンルは、けっこう活動的なのではないかと感じている。

そうした時代に育ってきた子供たちは、本に対して、いまの大人が持っている感覚とはまた違う感覚を持っているかもしれない。そんな子供たちが、電子書籍だけでなく、紙の媒体としての「本」に愛情を持って育っていってほしいと、ひそかに願うこの頃である。