本と本屋さん。『bookspooh』

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「本質」って何だろう……

映画が好きである。

最近は本の方が好きだけれど、映画もやっぱり好きである。

 

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中学、高校、大学時代は特によく見た。

映画館にもよく見に行ったし、テレビでもよく見た。

NHKのBS3では、特に古い映画をよく放送してくれた。白黒ものも多かった。

 

いつのころからか、長時間、テレビ画面を見ていることが億劫になってきて、いつのころからか、見たい映画も少なくなってきた。

気が付けば、あまり映画を見なくなった。

 

最近は、ネットフリックスというオンラインで動画を配信するサービスを使うようになり、以前より映画がずっと身近になったけれど、タブレット画面を通してしか我が家では見ることができず、タブレットの、スマホより大きいとはいえ、テレビより小ぶりな画面を長時間見ると、これまた疲れてくるので、思ったよりは見ていない。

 

それにしても、最近はテレビよりオンラインによる動画配信サービスが世界中で流通していて、日本でも、テレビ局はオンライン配信サービスに力を入れてきているような気がする。

確かに、いつテレビをつけてもニュースの時間以外は私には興味のないバラエティ番組が多いし、見たいドラマも全くない。地上波よりもBS放送の方がまだ見る機会が多い。数か月前までは、BS258で「Dlife」というディズニーの会社が運営するチャンネルをよく見ていた。好きな海外ドラマをよくやっていたからだ。

しかしディズニーもディズニーデラックスという動画配信サービスを始め、無料放送の「Dlife」は残念ながらなくなってしまった。

 

動画配信サービスは、自分の好みの番組を好きな時間に好きなようにどこでも見られるから、手軽で便利である。世に流通するのも当然だ。

いまは新型コロナ騒動で、ドラマや映画、バラエティ番組など、とにかく撮影すること自体が難しいから、オンラインであれ、従来の「テレビ」媒体であれ、続けていくにはスタッフも出演者も、あれこれと規制や不便が重なり大変だろうと推察する。

が、こうした大変さは差し引いて、今後のテレビはどうなっていくのだろうか、とふと考える時がある。

 

例えば音楽。

かつて主流だったレコードは、カセットテープになり、CDになり、MDになり、MDはいまは消えてしまったけれど、CDはまだあるし、カセットテープも細々ではあるけれど残っている。レコードもその音質の良さとジャケットのお洒落さから、また盛り返しつつある。

テレビが登場する前に主流だったラジオも映画館も、かつての勢いはないとはいえ、まだ存在している。

テレビも、かつてのような勢いはなくなっても、オンライン主流の世界に突入後も細々と生き残っていくのだろうか。

 

本だって、最近は電子書籍が多い。

本の収納場所も全く気にならないし、大量の書籍がいつでもどこでも気軽に読めるのは、本当に魅力である。

けれど、紙の質感や表紙に込められた作り手側の「熱意」は伝わってこないし、本を開いたときの、あの独特の空気感もない。

けれど、本だって『源氏物語』は平安時代中期にできたというし、それから1000年以上経ったいまでも、形は変わってもちゃんと「紙」に書かれた「書物」は存在している。

 

どんなものであっても、媒体は変わってもその本質は残っていくと信じたい。

 

「本質」って何だろう。

 

物事の「本質」。

表現の「本質」。

人間の「本質」。

 

ときどきは考えなければ、大切なものを見失ってしまうかもしれない。

そんな気がふとした。